[東京 2日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 午後3時現在 119.52/54 1.0782/86 128.88/92 正午現在 119.65/67 1.0765/69 128.81/85 午前9時現在 119.57/59 1.0768/72 128.76/80 NY午後5時 119.74/75 1.0762/64 128.88/92
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円 高の119円半ば。日経平均株価は上げ幅を拡大したが、ドル/円では、米雇用統計と明 日から始まる感謝祭休暇を控え、投機筋の持ち高調整が進み、伸び悩んだ。
ドルは朝方一時119.76円付近まで上値を伸ばしたが、その後は調整売りが目立 ち、正午前には119.51円まで下落した。 明日の「グッド・フライデー」から週明け月曜日の「イースター・マンデー」まで、 一連の感謝祭休暇を控えて、海外投機筋の活動は低迷し、「短期筋の間では、きょうあた りから主要通貨で利益確定売りやポジション調整の動きが出始めている」(国内金融機関 )とされ、午後は全般にさえない値動きとなった。
「ドルが売られ気味なため、ユーロがしっかりし、クロス円は上昇しているが、ドル /円の上昇は節目、節目でとまってしまう」(FX会社)という。 他方、実需筋では「輸入企業が淡々とドルを買っている」(国内金融機関)との指摘 も聞かれ、ドルの底堅さに貢献している。
3日は米国では株式市場が休場、債券市場が短縮取引となるほか英国、豪州、香港、 シンガポールなどが休場となる。英国などは6日も休場となる。 <米雇用統計>
3日に発表予定の米雇用統計については、「このところ良い数字が当たり前になって きているので、良い数字が出たとしても、ドルの底固めをする程度で、上に引っ張るよう な力にはならないのではないか」(前出のFX会社)という。逆に「弱い数字がでれば、 ドル売りで反応するだろう」(同)とみられている。
ただ、前日の海外時間に発表されたADP全米雇用報告とISM製造業景気指数は、 ともに市場予想を下回り、米株安や米金利低下につながった。 とりわけADP雇用報告は民間部門雇用者数の増加数が18万9000人にとどまり 、2014年1月以来の低い伸びとなった。ロイターがまとめた市場予想22万5000 人増も下回り「失望を誘った」(国内金融機関)という。 今年に入って、市場予想に比べて弱い米経済指標が目立つ中にあって、米2月雇用統 計をはじめ、雇用関連は底堅い基調を維持し「ドル/円のより所」(国内証券)とされて きた面がある。 それだけに、低調だったADP雇用報告の結果に対する落胆も出ている。 きょうの海外時間には、新規失業保険申請件数が発表が予定されており、関心を集め そうだという。市場では「週末の雇用統計に向け、目先の期待がつながるか見極めたい」 (国内金融機関)との声が出ていた。
<日銀追加緩和の憶測>
前日の東京市場終盤(欧州序盤)では、日銀の追加的金融緩和に関する思惑が投機筋 のショート・カバーを誘発し、ドルは一時的に120円台に乗せた。 市場関係者によると、追加緩和の思惑の背景には、マイナス圏突入も照準に入ってき た日本のCPIの弱さがあるという。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・景気循環研究所が、独自に作成した国内企業 物価のインフレ先行指数を用いて推計した結果によれば、CPIの現在の前年比における 鈍化はまだ一段と進み、マイナスに転落する可能性がある。 同研究所は先月11日付のレポートで、「原因が『原油価格』という中長期的に経済 にプラスになる要素であっても、放置すればバックワード・ルッキングな期待形成を、デ フレ方向へと後退させかねないCPIの前年割れの進行は、まさしく黒田日銀が、コアC PIの1%割れ寸前時の14年10月31日に示したように、身を挺してでも水際で阻止 するという断固たる姿勢を再び示すことが必要とされていよう」と指摘する。 さらに、同研究所は「国内外への配慮もあって、その時期については難しいが、統一 地方選後、『展望リポート』が発表される4月30日の金融政策決定会合にでも、日銀が 追加緩和に動くことは、決して不自然とは言えない」とみている。
(為替マーケットチーム)