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Jストリーム Research Memo(4):動画配信のためのプラットフォームとインフラを提供

発行済 2019-06-17 16:04
更新済 2019-06-17 16:21
© Reuters.  Jストリーム Research Memo(4):動画配信のためのプラットフォームとインフラを提供

■事業概要2. 配信事業配信事業では、各種のインターネット動画配信用ソフトウェアを用いて、インターネット上で動画や音声などのコンテンツを配信するサービスを行っている顧客は一般企業やメディア企業、コンテンツプロバイダーで、音楽・映画・イベント動画、企業説明会、教育動画、広告など、コンテンツの種類や配信先の端末を問わず配信が可能となっているインターネットを使って多数の視聴者に動画や音声を配信するには、大量のアクセスに耐える回線やサーバーの確保、そして安定した運用が必要で、一般企業にはこうした投資は難しいこのためJストリームのサービスは、一般企業にとって多額の投資や運用コストをかけることなく、必要なときに必要なだけ配信ができるという利便性があるまた、同社は大量の視聴に対応できるCDNを自社で保有しており、イベントなど一度に数万人以上のアクセスがあるような場合でも、コンテンツを安定して視聴者に届けることができるさらに、コンテンツ配信を行う際の付随的なサービスとして、配信対象を限定する認証機能や、DRM(Digital Rights Management:デジタル著作権保護)、コンテンツ販売に必要な課金決済システム、海外からのアクセスを制限できる国内外判別配信といったサービスも提供している(1) 動画配信プラットフォーム同社は、コンテンツ管理やセキュリティなどの配信設定、あらゆる端末で視聴可能になるマルチデバイス対応、アナリティクス機能など、動画配信に必要な機能とワークフローをワンストップで提供しているその中心となるのが、ライブ機能など企業の動画活用に必要なあらゆる機能を装備する動画配信プラットフォームで、同社主力商品の「J-Stream Equipmedia」である「J-Stream Equipmedia」の特徴は、利用者のスキルに依存しない使いやすい管理画面、他社システムと連携できる柔軟性、月5万円からというリーズナブルな価格設定など、一般企業でも手軽に動画を活用できる仕様になっていることであるさらに、同社が自社で保有し運営するCDNによって常に安定した動画配信を実現するだけでなく、アカウント営業と専任スタッフが両面からサポートする体制も取っているこのため、現在、国内最大規模の1,500アカウント以上(2018年2月時点)の導入実績を誇る同社の動画配信プラットフォームには、「J-Stream Equipmedia」のほかに、プレミアム版で高度な拡張性やカスタマイズ性、マネタイズ機能を有する「J-Stream MediaLize」、「J-Stream Equipmedia」をベースにCRMソリューションサービスのSalesforce(セールスフォース・ドットコム

)向けに開発された「Equipmedia動画共有ライブラリ for Salesforce」などがラインナップされている(2) CDN動画や音声などリッチコンテンツのファイルはサイズが大きく、インターネット上で配信を行うとネットワークに大きな負荷がかかる特にデータが1ヶ所から集中して配信された場合、トラフィックが集中することでレスポンスの悪化や通信速度の低下、時には配信停止といった事態に陥ることもあるサーバーや回線を増強することで対応は可能だが、企業にとって非常に大きなコストがかかり、また増強してもアクセスが少ないときには余剰な設備になってしまうこのため、同社は専用のCDNを構築しており、配信制御が可能な管理コンソールと顧客サポートがセットになったCDNサービス「J-Stream CDNext」を顧客企業に提供している特徴は、国内ISPやIDC(Internet Data Center)に配信用サーバーを分散配置した同社独自のネットワークを利用できるほか、見やすい管理画面と詳細な設定による柔軟な運営、最新の高速プログラムや高性能サーバー、SSL※処理の高速化と幅広く利用できるSSL機能——などであるアクセス集中によるレスポンスの悪化や通信速度の低下といったトラブルを防止し、Webコンテンツを快適に閲覧・利用できるため、重くなりがちな動画やゲーム、インターネット通販、さらには一時的にピークを形成するキャンペーンなどのコンテンツを、より高速でより安定してユーザーに届けることができる数万人の視聴者を想定した場合でも安定した高速の配信を実現できるのである※SSL(Secure Sockets Layer):インターネット上で個人情報やクレジットカード情報などの重要なデータを暗号化して送受信する仕組み加えて、「Imperva Incapsula」、「Kollective SD ECDN」、米Citrix Systems, Inc.の提供するマルチCDNサービスなど、海外の優れたサービスも組み合わせて販売している「Imperva Incapsula」は、DDoS※1防御/WAF※2統合型セキュリティソフトで、米Imperva(インパーバ)が提供する、高い検知精度と信頼性を持ったクラウド型WAFサービスである「Kollective SD ECDN」は、米Kollective Technologyが提供する企業向けCDNサービスで、社内情報共有の際に外部インターネットに接続される回線を抑制するマルチCDNサービスは、コンテンツの配信状況が可視化でき、自社以外の契約する複数のCDNを含めて最適なCDNを自動選択して配信することができる※1 DDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack):複数のPCから1つのサービスに仕掛ける一斉攻撃※2 WAF(Web Application Firewall):Webサイト上のアプリケーションに特化したファイアウォール(3) ライブ配信撮影から運用、配信まで、同社はプロフェッショナルなライブ配信サービスを提供している配信技術の進歩を背景に、株主総会・IRイベント、専門セミナー、スポーツ・コンサート、プロモーション、社内情報共有・研修など、インターネットを利用したライブ配信の活用範囲が急速に拡大しているまた、モバイル端末の普及で視聴者が情報にアクセスする場所を気にしなくなったことも、ライブ配信の活用を後押ししているしかし、「失敗できない生放送」であるライブ配信を成功させるには、現場での回線や機材の準備、ミスのないオペレーション、街頭ビジョンからスマートフォン、2DからVR(仮想現実)/360度動画までの多様な様式へ対応、そして安定した配信ネットワークが必要である特に現場での対応力は、他社にない同社ならではの魅力と言えるさらに、同社はカメラやエンコーダーなど機材、ライブ専門のディレクターやエンジニア、撮影クルー、ネットワーク技術者といったリソースを、ニーズに合わせ最適な構成にカスタマイズしてワンストップで提供、企画演出やライブイベントの進行などのサポートも行っているこのほか、アンケートや掲示板などを利用したイベント最中の視聴者とのコミュニケーション機能、ライブチャット機能など視聴者の反応をリアルタイムに可視化する機能や追いかけ再生、スライド連携、セキュリティ、決済——等々、顧客や視聴者にとって便利な機能が充実している同社の豊富な実績に裏打ちされたノウハウや技術力、現場対応力といった総合力は非常に高い優位性があり、年間1,800件以上のライブ配信の実績を誇る(4) 広告関連サービス広告関連サービスでは、広告の企画制作を始め、コンテンツマーケティングの支援、動画アドネットワーク「MovieAD」の提供などを行っている広告の企画制作では、動画とWeb記事を組み合わせたネイティブアドなど、動画広告を中心に効果的な広告をトータルプロデュースしているコンテンツマーケティング支援では、記事と動画をセットにした広告企画制作やメディア展開を通じて、Webだけでなく動画メールやデジタルサイネージ、シネアドなどリアルなメディアへの展開もサポートしている「MovieAD」は、インストリーム型※動画アドネットワーク、コンテンツシンジケーション、動画メールアドネットワーク、タイアップ動画記事広告といった4つのサービスで構成されているなかでもコンテンツシンジケーションは特徴的で、広告挿入可能な動画コンテンツをコンテンツホルダーから調達し、「MovieAD」を経由してパートナーメディアに配信(シンジケーション)するというサービスであるメディア事業者のコンテンツ(広告在庫)不足と広告主のWeb広告への経験不足といったミスマッチを解消することができる※インストリーム型:動画サイトで配信される従来のバナー広告より大画面で音声がデフォルトでONの広告の型(5) コンテンツ保護・DRM「SecureCast Pro PT Edition」はAdobe Primetimeベースの高度なDRMが可能で、主要なデバイスやブラウザに対応しており、有料コンテンツや社外秘など重要なコンテンツに最適であるまた、「SecureCast Plus」はスマートフォン向け音楽・動画コンテンツのDRMサービスで、アプリケーションの開発や手間の掛かる端末検証を、顧客側で行うことなく配信サービスを開始することができるアクセス制限や不正コピー対策などによって重要なコンテンツを守りながら、適切にユーザーに配信することができる、コンテンツ配信の付帯機能としてのサービスである(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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