[ワシントン 12日 ロイター] - 米国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長は12日、先月の米地銀2行の破綻後も、米銀行システムは「健全」で安定しているものの、効果的なリスク管理を投資家に示せない金融機関は市場の圧力にさらされる可能性があるという認識を示した。
ブレイナード委員長は、破綻したシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の預金者保護に向け取られた措置は特定のリスクに「的を極めて絞った」ものだったと指摘した上で、連邦預金保険公社(FDIC)の保険対象拡大を巡る議論は「緩やかな軌道にある」と述べた。
その上で、両行の破綻によるFDICの預金保険への損失補填から地方銀行は免除されるべきとの考えを示した。
銀行破綻は増えるかとの質問に対しては、銀行の経営陣はこのところのストレスに対応し、バランスシートを強化し、預金者や投資家が「良好な戦略を持ち、効果的にリスクを管理している」と納得できるよう取り組んでいると指摘。「銀行がこうしたことを効果的に行えなければ、一部の投資家から強い圧力がかかる可能性がある」としたものの、こうした圧力が預金流出につながるとは考えていないと述べた。
同時に、ストレステスト(健全性審査)の対象になっていなかったシリコンバレー銀行の場合、金利上昇に対する資本のストレステストが行われていれば、結果は大きく異なった可能性があるとの考えを示した。
労働省が朝方発表した3月の消費者物価指数(CPI)については「緩やかな経済成長を続けながらインフレが低下するという良好な軌道に実際に乗っている」と評価。ただ、やるべきことは残っていると述べた。
ブレイナード氏は2月半ばまで連邦準備理事会(FRB)副議長を務めていた。