以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兼FP山副耕一氏(ブログ「子供に伝えたい株式投資」を運営)が執筆したコメントです。
フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
---- ※2016年1月05日10時に執筆 ○「投資」の定義は? 「投資」、この言葉を頻繁に耳にすると思います。
しかし、よくよく考えると「投資」って何でしょうか?よく似た言葉の「投機」や「トレード」、「運用」などとどう違うのでしょうか? さまざまな投資教育や投資セミナーが行われていますが、実は「投資」の定義に定まったものはありません。
それぞれの主催者や講師が勝手に「投資」を定義付け、勝手な解釈で教育・セミナーを行っているのが現状です。
受講者はこの点に注意して、果たして今聞いているものは「投資」の話なのか、「投機」の話なのか、それとも「トレード」の話なのかを区別する必要があります。
そして、自分に合うものは誰が語る「投資」なのかをチェックしながら聞く必要があります。
この過程をすっ飛ばして本題に入るものだから、また受講者もまったく気にせずに本題に入るものだから、なかなか消費者が賢くならない。
運用で損してばかり。
こんな結果になっていると思っています。
○私が考える「投資」の定義 私なりの「投資」の定義をご紹介します。
“「投資」は、長期保有した場合、積みあがっていくものが存在する先に資産を投じること。
少なくともある時点から積みあがったものが価格変動要因の大部分を占めるようになるもの”と考えています。
積みあがるものとは、株式の場合は純利益、自己資本、配当。
債券の場合は金利。
不動産の場合は家賃でしょう。
では金や原油などのコモディティは・・・この場合、積みあがるものがありません。
このためコモディティは「投資」とは言えない・・・そう考えています。
為替はどうでしょうか。
FXを利用した場合、日々スワップ金利が受け取れますが、通貨の組み合わせによってはスワップ金利の支払いとなることもあるので、純粋な積みあげとはなりません。
よって為替差益をねらう運用は「投資」ではありません。
この結果、同じ資産での運用であっても、期間によって「投資」となる場合、ならない場合が生じます。
例えば株式の純利益や自己資本、配当が、自分の投資金額を上回り、実質的に元本確保となる状態を目指す場合は純粋に「投資」と言えます。
少々の株価変動があったとしても、実質的な元本確保となっていれば慌てることはありません。
このような状態を作るための行動が投資となります。
一方で、これらが積みあがることなど眼中におかず株価の上昇だけに注目する場合、これは「投資」ではありません。
○「投資」以外の定義は? 「投資」との比較で考えれば類似用語も整理できると思います。
まずは「投機」。
投機は英語でspeculate。
これには「根拠なく賭けてみる」との意味もあります。
将来的に積みあがるものが根底にあるものを「投資」。
積みあがるものがないけれども値上がりが予想されるものが「投機」でよいのではないでしょうか。
債券における投機的格付けは、金利と言う積みあがるものがあるが、デフォルトリスクやこれに伴う値下がりの可能性が、償還まで積みあがりよりも大きな要因になると考えられるものとなります。
では「トレード」は? 価格の動きのみに注目をして、価格のさやを稼ぐものですが、「投機」と近いイメージです。
このため「トレード」と「投機」は同じ概念でよいと考えています。
“あなたの行動は「投資」でなく「投機」ですよ。
”と言うと、あたかもギャンブラーのようなイメージがするのでしょうか、気分を害される方が多くいます。
このため、その行動は「トレード」ですよ。
と言ったほうがよいと思っています。
理屈っぽい言い方をする時は「投機」優しい言い方をする時には「トレード」でどうでしょうか。
最後に「運用」。
運用は広い概念でリスクのある資産を保有することと考えます。
広義の「投資」の一般的な言い方とも考えられます。
追加で「貯蓄」も定義しておきましょう。
「貯蓄」は元本を利用して金利を稼ぐ行為。
このとき元本は増えも減りもしません。
一方「投資」は元本自体が大きくなることを目指す行為。
株式の場合、積みあがっていく利益や自己資本が元本に組み込まれ、元本自体が大きくなっていく。
これが株式投資だと考えられます。
○最後に 「投資」と「トレード」どちらでもよいのでは?それほど深く考えなくても。
。
。
このような声が聞こえてきそうですが、この区別は次回に予定している、「投資スタンスの確立」と大きくリンクします。
「投資」と「トレード」は、似て非なるものです。
みなさんは投資の定義をどう考えますか? ---- 執筆者名:山副耕一 ブログ名:子供に伝えたい株式投資
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---- ※2016年1月05日10時に執筆 ○「投資」の定義は? 「投資」、この言葉を頻繁に耳にすると思います。
しかし、よくよく考えると「投資」って何でしょうか?よく似た言葉の「投機」や「トレード」、「運用」などとどう違うのでしょうか? さまざまな投資教育や投資セミナーが行われていますが、実は「投資」の定義に定まったものはありません。
それぞれの主催者や講師が勝手に「投資」を定義付け、勝手な解釈で教育・セミナーを行っているのが現状です。
受講者はこの点に注意して、果たして今聞いているものは「投資」の話なのか、「投機」の話なのか、それとも「トレード」の話なのかを区別する必要があります。
そして、自分に合うものは誰が語る「投資」なのかをチェックしながら聞く必要があります。
この過程をすっ飛ばして本題に入るものだから、また受講者もまったく気にせずに本題に入るものだから、なかなか消費者が賢くならない。
運用で損してばかり。
こんな結果になっていると思っています。
○私が考える「投資」の定義 私なりの「投資」の定義をご紹介します。
“「投資」は、長期保有した場合、積みあがっていくものが存在する先に資産を投じること。
少なくともある時点から積みあがったものが価格変動要因の大部分を占めるようになるもの”と考えています。
積みあがるものとは、株式の場合は純利益、自己資本、配当。
債券の場合は金利。
不動産の場合は家賃でしょう。
では金や原油などのコモディティは・・・この場合、積みあがるものがありません。
このためコモディティは「投資」とは言えない・・・そう考えています。
為替はどうでしょうか。
FXを利用した場合、日々スワップ金利が受け取れますが、通貨の組み合わせによってはスワップ金利の支払いとなることもあるので、純粋な積みあげとはなりません。
よって為替差益をねらう運用は「投資」ではありません。
この結果、同じ資産での運用であっても、期間によって「投資」となる場合、ならない場合が生じます。
例えば株式の純利益や自己資本、配当が、自分の投資金額を上回り、実質的に元本確保となる状態を目指す場合は純粋に「投資」と言えます。
少々の株価変動があったとしても、実質的な元本確保となっていれば慌てることはありません。
このような状態を作るための行動が投資となります。
一方で、これらが積みあがることなど眼中におかず株価の上昇だけに注目する場合、これは「投資」ではありません。
○「投資」以外の定義は? 「投資」との比較で考えれば類似用語も整理できると思います。
まずは「投機」。
投機は英語でspeculate。
これには「根拠なく賭けてみる」との意味もあります。
将来的に積みあがるものが根底にあるものを「投資」。
積みあがるものがないけれども値上がりが予想されるものが「投機」でよいのではないでしょうか。
債券における投機的格付けは、金利と言う積みあがるものがあるが、デフォルトリスクやこれに伴う値下がりの可能性が、償還まで積みあがりよりも大きな要因になると考えられるものとなります。
では「トレード」は? 価格の動きのみに注目をして、価格のさやを稼ぐものですが、「投機」と近いイメージです。
このため「トレード」と「投機」は同じ概念でよいと考えています。
“あなたの行動は「投資」でなく「投機」ですよ。
”と言うと、あたかもギャンブラーのようなイメージがするのでしょうか、気分を害される方が多くいます。
このため、その行動は「トレード」ですよ。
と言ったほうがよいと思っています。
理屈っぽい言い方をする時は「投機」優しい言い方をする時には「トレード」でどうでしょうか。
最後に「運用」。
運用は広い概念でリスクのある資産を保有することと考えます。
広義の「投資」の一般的な言い方とも考えられます。
追加で「貯蓄」も定義しておきましょう。
「貯蓄」は元本を利用して金利を稼ぐ行為。
このとき元本は増えも減りもしません。
一方「投資」は元本自体が大きくなることを目指す行為。
株式の場合、積みあがっていく利益や自己資本が元本に組み込まれ、元本自体が大きくなっていく。
これが株式投資だと考えられます。
○最後に 「投資」と「トレード」どちらでもよいのでは?それほど深く考えなくても。
。
。
このような声が聞こえてきそうですが、この区別は次回に予定している、「投資スタンスの確立」と大きくリンクします。
「投資」と「トレード」は、似て非なるものです。
みなさんは投資の定義をどう考えますか? ---- 執筆者名:山副耕一 ブログ名:子供に伝えたい株式投資