ニューヨーク - ビジネスにおける人工知能（AI）の活用を進める重要な動きとして、SalesforceとIBMは、Salesforceのプラットフォームに高度なAI機能と自律型エージェントを統合するパートナーシップを発表しました。この提携は、特に規制の厳しい業界の顧客に対して、意思決定、生産性、効率性を向上させることを目的としています。
このパートナーシップでは、SalesforceのAgentforceとIBMのwatsonx（生成AI製品のwatsonx Orchestrateを含む）が統合されます。この統合により、顧客は様々な企業ツールやプラットフォームと独立して対話できるAIエージェントを構築・カスタマイズし、日常的または複雑なタスクの自動化を促進することが可能になります。
IBMは、特定のビジネス領域やユースケースに最適化されたGraniteモデルを活用するwatsonx Orchestrateを使用して、特定のビジネス課題に対応する新しい事前構築型エージェントを開発する計画です。これらのエージェントは、アプリケーションやカスタムデータソース全体で洞察を調整し、販売リードの特定、販売トレーニングの迅速化、銀行の顧客受け入れ体験の改善、製造業や通信業の請求プロセスにおける顧客エンゲージメントの向上などを行うことができます。
さらに、このパートナーシップではデータ統合機能が拡張され、共同顧客がSalesforceプラットフォーム上のAIユースケースを強化するためにメインフレームのデータセットを活用できるようになります。これには、IBM Zメインフレームのデータベースやファイル、分散プラットフォーム上のDb2データベースからのデータが含まれます。IBMは、IBM ZとSalesforce Cloudアーキテクチャ間のデータフローを可能にする最初のZero Copyパートナーとなります。
データ統合に加えて、顧客は近々Salesforce Model Builder内でAIユースケースを強化するためにwatsonx.aiとの新しい統合を活用できるようになります。これにより、サードパーティのモデルやIBMのGraniteファミリーの基盤モデルを含む、カスタマイズされた大規模言語モデル（LLM）へのアクセスと展開が可能になります。
IBM Consultingは、企業が特定の業界課題に対応するAIエージェントをより迅速かつ大規模に選択、カスタマイズ、展開、拡張するのを支援する重要な役割を果たします。IBMのコンサルティング部門は、AI駆動型の提供プラットフォームであるIBM Consulting Advantageを活用して、共同顧客のAgentforceの価値を加速させます。
SalesforceとIBMは、拡大されたパートナーシップの変革的な可能性を強調しており、SalesforceのエグゼクティブバイスプレジデントであるBrian Landsmanは、「規制の厳しい業界における企業イノベーションの新基準を設定する」と述べています。IBMのグローバル戦略的パートナーシップ責任者であるNick Ottoは、このパートナーシップが顧客に組織全体でAIを活用する選択肢と柔軟性を提供することに関するものだと指摘しています。
この記事の情報はプレスリリースに基づいています。
その他の最近のニュースでは、Salesforceがいくつかの重要な進展を報告しています。同社の第2四半期の1株当たり利益は2.56ドルに達し、コンセンサス予想の2.36ドルと前年の2.12ドルを上回りました。また、主にサブスクリプションとサポート収益の9%増加により、売上高が8%増加したことも報告されています。
Salesforceは、データ保護および管理ソリューションのプロバイダーであるOwn Companyを19億ドルの現金で買収する最終合意を発表しました。この戦略的な動きは、Salesforceのデータセキュリティとコンプライアンス機能を強化すると期待されています。取引はSalesforceの2025年度第4四半期に完了する予定です。
アナリストノートでは、Erste GroupがSalesforceの株式を成長鈍化の予測によりBuyからHoldに格下げしました。しかし、Deutsche BankとCFRAはそれぞれBuyとStrong Buyの評価を維持しています。
パートナーシップニュースでは、SalesforceとGoogle Cloudが提携を拡大し、Salesforce Customer 360とGoogle Workspaceアプリケーション間の安全な連携を強化するSalesforce Agentforce Agentsを開発しています。最後に、SalesforceのCFOであるAmy Weaverが2025年初頭に退任する計画を発表しましたが、後任の検索を支援する予定です。これらがSalesforceに関する最近の動向です。
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