[20日 ロイター] - 米IBM (N:IBM)は20日、新型コロナウイルスによる不透明性を理由に2020年の通期見通しを撤回すると明らかにした。ただ、同社顧客は新型コロナ危機の影響が比較的小さく、配当支払いは継続するとした。
最高経営責任者(CEO)に今月就任したアービンド・クリシュナ氏は、新型コロナの流行を受けて、顧客は最近、資金を温存する傾向を強めており、ソフトウエアの販売が特に打撃を受けていると指摘。
IBMの株価は米株式市場引け後の時間外取引で約3.3%下落した。
第1・四半期の総売上高は3.4%減の175億7000万ドル。リフィニティブのアナリスト予想である176億2000万ドルをわずかに下回った。
純利益は11億8000万ドル(1株当たり1.31ドル)。前年同期は15億9000万ドル(同1.78ドル)だった。調整後の1株利益は1.84ドルで、予想の1.80ドルを上回った。
クラウド事業の売上高は19%増の54億ドルだった。
クリシュナCEOは、リモート勤務へのシフトを背景に同社のクラウドサービスに切り替える動きが加速していると指摘した。
ジェームズ・カバノー最高財務責任者(CFO)はロイターに対し、同社の売上高の7割は、ヘルスケアや通信などの新型コロナ流行の影響が緩やかか、または小さいとみられる産業が占めていると説明。
また、同社には、事業投資と配当支払いを継続できるだけの潤沢なフリーキャッシュフローと流動性があると述べた。
「この公衆衛生上の危機がいつまで続くかという点や、世界の回復スピードが不確実なため、複数のシナリオを用意し、当社のビジネスモデルについて多数のストレステストを実施した」と明かし、短期的には現在の経済環境下での顧客の購入パターンが、業績を左右することになると述べた。
IBMは、米IT大手による第1・四半期決算発表の先陣を切った。
*内容を追加しました。