[シドニー 11日 ロイター] - 豪カンタス航空 (AX:QAN)は11日、 欧州航空機大手エアバス (PA:AIR)と米ボーイング (N:BA)に対し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で旅客需要が落ち込んでいることから、当面新たな航空機を受領しない見通しであることを伝えたと明らかにした。
カンタス航空は2020年末までにボーイング787─9型機3機の納入を受け、また22年までに導入予定のエアバスA321neo18機の納入が20年8月に始まる予定だった。
カンタス航空の広報担当者は、市場が極めて先行き不透明な状態のため、これらの新たな航空機の具体的な納入予定は現在のところ全く立っていないと述べ、旅行者向けニュースサイト「エグゼクティブ・トラベラー」の報道を認めた。
新型コロナの影響で世界各国の航空会社が路線の運休や減便を余儀なくされ、航空機の受領を停止しており、エアバス、ボーイングは共に生産ペースを落としている。
カンタス航空は先週、シドニーとロンドンを結ぶ民間航空会社としては世界最長の直行便路線に採用可能なエアバスのA350型旅客機を今年最大12機発注する計画を棚上げしたことを明らかにした。また、海外旅行需要の回復には何年もかかる見通しであることから、保有する航空機数についても見直しているとした。
カンタス航空は国内便のフライトがコロナ危機前のわずか5%に、国際便は1%まで減ってしまったことから、従業員2万5000人を少なくとも6月末まで一時帰休としている。
エアバスの広報担当者は、航空機の納入スケジュールについてはコメントしないと述べた。
ボーイングにもコメントを求めたが、これまでのところ回答はない。