[デトロイト 20日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーター (N:F)は20日、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)による影響で、米国内の2工場の稼働を停止した。
同社の広報担当者によると、閉鎖されたのはミシガン州のディアボーン工場とシカゴの組立工場。閉鎖の理由は前者が従業員1人の新型コロナ感染、後者は部品が不足したためという。
フォードは、どのサプライヤーからの供給に支障が出ているかには言及しなかった。ただ、関係筋がロイターに語ったところによると、自動車部品メーカーのリア (N:LEA)はインディアナ州ハモンドの工場を閉鎖している。リアは、感染者が出たため同工場を閉鎖したことを電子メールで確認した。
フォードがシカゴの工場を閉鎖するのは2日連続。19日には異なるシフトに入っていた従業員2人の感染が判明し、2度にわたり閉鎖を余儀なくされた。広報担当者によると、ディアボーン工場とシカゴ工場は20日中に生産を再開する見通し。
両工場で出た感染者は、いずれも職場以外で新型ウイルスに感染したという。
ディアボーン工場は利益率の高いピックアップトラック「F─150」を生産、シカゴ工場はスポーツ用多目的車(SUV)「フォード・エクスプローラー」「リンカーン・アビエーター」を生産している。
米自動車業界は18日、新型コロナの感染拡大を抑制するため長期間閉鎖していた多くの工場で稼働を再開した。
ゼネラル・モーターズ(GM) (N:GM)とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA) (MI:FCHA) (N:FCAU)は20日、問題が生じている北米工場はないとした。