[ロンドン 5日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が5日に公表したデータによると、イングランドとウェールズ地方でここ数カ月、新型コロナウイルス感染症と診断されていない死亡者数が増えており、未診断例が当初予想よりも多いことを示している可能性がある。
ロイターの集計によると、英国は新型ウイルスの死亡者数で感染者だけでなく疑いがある死亡者を加えると5万人を超え、米国に続き世界2位となっている。
ONSのデータによると、3月7日から5月1日までの超過死亡は4万6380人。超過死亡は一定期間の死者数が過去の平均水準をどれだけ上回っているかを示す。このうち正式に新型ウイルスと診断されていない死亡者は4分の1超の1万2900人。ONSは、高齢者を中心に、新型ウイルス感染症と診断されなかった把握漏れが要因の可能性があると分析した。
ONSは「高齢者はリスクが高い。新型ウイルス感染の死者に分類されていない超過死亡は未診断例だった可能性がある」と述べた。
医療システムのシンクタンク、キングス・ファンドの最高責任者、リチャード・マレー氏はデータについて、病院外での社会的な対策を国民保健サービス(NHS)同様に重要視すべきであることを示すと指摘。「新型ウイルス感染による実際の死亡者数が、これまで報告されていた数字を大幅に上回ることが確認された。超過死亡の大半は未診断例の可能性が高い」と語った。
データは9094世帯の1万9723人を対象とした調査を基にしている。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200605T161155+0000