[ロンドン 17日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングス (L:HSBA)は新型コロナウイルス流行を受けて延期していた大規模な人員削減を再開しており、中期的に約3万5000人を削減する計画であることが、ロイターが17日確認したメモで分かった。外部からの採用をほぼ全て凍結する方針を続ける。
HSBCは3月、新型コロナの非常事態下で従業員を解雇すべきではないとして、人員削減を延期すると発表していた。
クイン最高経営責任者(CEO)は全世界の従業員23万5000人に宛てたメモで「人員整理を無期限で止めることはできない」と説明。利益が落ち込み、経済見通しが厳しい中で、リストラをいま再開する必要があるとし、今年下半期のさらなるコスト削減方法を検討するよう経営幹部に求めたと付け加えた。
HSBC広報担当者はメモの内容を認めた。
ある経営幹部によると、人員削減は、主にインベストメントバンキングやトレーディング業務を抱える「グローバルバンキング・アンド・マーケッツ(GBM)」部門のバックオフィスが対象になる公算。英国のGBM部門や本社の管理職、各国のサポート要員も削減される見込みという。毎年2万5000人の自然減を見込むが、その分をすべて補充するのは非現実的と指摘した。
同幹部は、人員削減の再開は、今後の配当の規模やタイミングには影響しないとの見方を示した。配当は、来年以降の景気見通しに基づき判断されるだろうと述べた。
アナリストは、銀行を取り巻く環境は厳しいとして、HSBCのような動きは今後金融界で相次ぐとみる。
グッドボディのアナリストは「大規模な追加コスト削減計画が発表されるのは時間の問題」と述べた。
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