[ソウル/ジュネーブ 28日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は28日、新型コロナウイルスの感染が疑われる事例が発生したことを受けて、当局が感染拡大を阻止するための対策を強化していると伝えた。
厳格な隔離措置と検査が行われ、検査キットや防護服、医療機器などの供給が迅速に進められているとしている。
金正恩朝鮮労働党委員長は26日、新型コロナへの感染が疑われる脱北者が北朝鮮に戻ったとし、南北境界線付近の開城(ケソン)市を封鎖、非常事態を宣言した。
ロイターが27日、世界保健機関(WHO)から入手した資料によると、北朝鮮は16日までに1211人に対して新型コロナ検査を行い、全員が陰性と判明した。現在696人が隔離されているという。
世界保健機関(WHO)の北朝鮮担当を務めるエドウィン・サルバドール氏によると、隔離されているのは平壌近郊の南浦港や中国と国境を接する新義州の労働者らで、北朝鮮に到着する物資の取り扱いに従事しているという。
同氏は、WHOが北朝鮮の保健省に対し「最近の中国での感染者増加を踏まえ、中国との国境地域の監視を強化するよう引き続き提言している」と述べた。
WHOによると、北朝鮮国内には新型コロナ検査が可能な施設が15カ所ある。
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