[パリ 29日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が発表した7月の消費者信頼感指数は94と、前月改定値の96から予想外に低下した。
新型コロナウイルスの感染が再び拡大する兆しが出る中、失業に対する不安が根強く、生活水準が下がったと回答する人が増えた。
ロイターがまとめた市場予想の平均は99だった。
同指数は3月中旬のロックダウン(都市封鎖)導入を受けて低下したが、5月中旬からロックダウンの段階的な緩和が始まった後は上昇に転じていた。
欧州では新型コロナの感染が再び拡大しており、フランスは今月20日から屋内の公共の場でマスクの着用を義務化した。
今回の調査では、過去1年で生活水準が改善したとの回答が3カ月連続で減少。失業に対する不安の度合いは、6月に記録した7年ぶりの高水準からは低下したが、依然として高止まりしている。
今は貯蓄すべき時だとの回答は3カ月連続で増加。長期平均を大幅に上回った。
エコノミストのCharles-Henri Colombier氏はツイッターで「仏消費者信頼感のV字型回復はない。(金融危機が起きた)2008-09年と同じような失業急増に対する懸念が見られる」と述べた。
INGはリポートで「家計消費が第3・四半期の経済活動の回復ペースを決める大きな要因になることが、今回の調査で確認できた」と指摘した。
フランス政府は、今年の経済成長率をマイナス11%と予測している。
*内容を追加しました。