[7日 ロイター] - 中国医学科学院医学生物学研究所が開発中の新型コロナウイルスワクチンが初期の臨床試験で安全性を示したという。専門家による評価を受ける前の論文を公開するインターネットサイト「medRxiv」に6日、同研究所の研究員らが論文を掲載した。
それによると、18歳から59歳までの健常者191人を対象に実施した第1段階の臨床試験で、ワクチン投与の深刻な副作用は見られなかった。
副作用の報告で最も多かったのは軽度の痛みや疲労感、注射部位の赤みやかゆみ、腫れだった。
また、臨床試験では免疫反応の誘発も確認された。
論文は「臨床試験で得た全てのデータが、この不活化ワクチンの安全性と免疫原性を裏付けており、有効性に関するさらなる研究について明るい材料を提供している」としている。
中国は臨床試験が完全に終わらないうちから感染リスクが高いとされる医療従事者など多くの人にワクチンの接種を行っており、専門家の間で安全性を巡る懸念が浮上している。