[ロンドン 13日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は13日に公表した月報で、新型コロナウイルス感染が増える中、2021年の世界の原油需要見通しを前年比日量654万バレル増の9684万バレルと、9月の見通しから8万バレル下方改定した。産油国が直面する需給調整の課題が増した。
新型コロナ危機により旅行や経済活動が抑制され、原油需要は急減した。第3・四半期は封鎖措置の緩和に伴い需要が回復したものの、OPECは景気回復のペースが弱まっているとの見方を示した。
OPECは景気見通しについて「一部の経済は第3・四半期に目覚ましい回復を遂げたが、新型コロナの直近の展開を中心にさまざまな先行き不透明感がある中で短期的な景気は依然としてぜい弱だ」と指摘。「世界的に感染件数が急増する中で先行き不透明感は高く、第3・四半期の力強い回復は第4・四半期や21年まで続かない見込みだ」とした。
OPECは7月に21年の原油需要見通しを700万バレル増として以降、徐々に見通しを引き下げてきた。
第4・四半期の世界の原油需要見通しも22万バレル引き下げた。20年の需要は前回同様、過去最大の落ち込みとなる947万バレル減とした。
OPECにロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」は需要の減少に対応するため、5月1日より過去最大の減産で合意。米国やその他の産油国も減産するとした。
OPECは報告書で、9月のOPECの産油高が5万バレル減の2411万バレルだったとした。ロイターの計算によると減産順守率104%に相当する。8月は103%だった。
OPECはまた、世界の需要見通しの下方改定を踏まえ21年のOPEC産原油の需要を2793万バレルと、当初予想より20万バレル下方改定した。