[26日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)の研究チームは26日の医学雑誌への寄稿で、米国や海外での研究では学校が新型コロナウイルスの感染源になっているとの証拠がほとんど示されておらず、対面授業に「道を開いている」との見解を示した。
米国を含む多くの国では学校でのコロナ感染のリスクや、オンライン授業を継続するか対面授業を再開するかの判断について、活発な議論が行われている。
CDCの研究チームは米医師会雑誌(JAMA)電子版に意見記事を寄稿し、校内感染の報告は一部であるが、米国で2020年秋に始まった新学期について集められたデータの大半は「安心感を与える内容」だと指摘。
「米国の一部や海外で多くの学校は対面指導を再開したため、学校関連の新型コロナ感染者が報告されたが、学校が市中感染増加の主要な原因になったという証拠はほとんど出ていない」とした。
CDCはウィスコンシン州の田舎にある、生徒のマスク着用率が高い学校で調査を実施。小学校から高校まで17校でのコロナ発症率は10万人あたり3453人と、地域全体の5466人に比べて37%低かった。学校で感染した職員は一人もいなかった。
調査を主導したエイミー・ファルク氏は電子メールで「対人距離やフェイスカバーの着用といった適切な予防策を取れば、学校職員がクラスでコロナに感染する可能性は低い」と指摘した。
CDCの研究チームは寄稿で、学校の閉鎖は学力向上や精神的健康、必要不可欠なサービスへのアクセスに影響を及ぼす可能性があるとした。