[フランクフルト 5日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は5日、欧州は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け超低インフレの長期化に直面しており、ECBは「ローフレーション(低インフレ)」に対応するためにインフレ目標を微調整する必要があると述べた。
オンライン会議で「長期的なインフレ期待を目標値に誘導する方法は、低インフレが続いたあとに実際のインフレ率が目標値を当面上回るのを容認することだ」と指摘。「2%を下回るがこれに近い水準」という目標は上下非対称な印象を与え、ECBが低インフレよりも高インフレを懸念していることを示唆し、足元の低インフレからの脱却が難しくなっているとした。
その上で「インフレ目標が対象的であると理解されるようにすることが重要だ」とし、目標の変更と上下双方向への乖離に対する十分かつ力強い対応へのコミットを求めた。
また、パンデミックによって引き起こされた構造的な変化が数年間にわたってインフレ率に影響を及ぼす可能性が高く、ECBによるインフレ高進が難しくなるため、インフレ目標の変更は時宜にかなっているとした。