[オタワ 10日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のレーン副総裁は10日、新型コロナウイルスの流行を受けて、同中銀がデジタル通貨の開発を急ぐ必要性が高まっているとし、予想よりも早く決定が下される可能性があると述べた。
ただ、デジタル通貨の導入は「既定路線」ではないとも述べた。
副総裁は、新型コロナの流行でビットコインなどの仮想通貨が値上がりしているが、最近の急騰は「投機的な熱狂」に見えるとの見解も示した。
副総裁は「カナダ中銀は、どのような状況でカナダがデジタル通貨の発行を決定する可能性があるか、数年前から分析を続けている。新型コロナの流行で、決定時期が予想より前倒しになる可能性がある」と発言。
「私は1年前、中央銀行デジタル通貨はその時点では必要ないとのわれわれの暫定的な見解を示した」とし「あれから1年が経ったが、われわれの見解は変わっていない。デジタル通貨は決して既定路線ではない」と述べた。
副総裁は、新型コロナの流行で国民の間で現金を敬遠する動きが強まっているが、新型コロナの収束後もそうした傾向が続くかは不透明だと指摘。
ビットコインについては、決済手段として依然「深刻な欠陥」を抱えており、未来の通貨になる「もっともらしい資格」はないとの認識を示した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210212T061215+0000