[ブリュッセル 25日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカのソリオ最高経営責任者(CEO)は25日、欧州議会の公聴会で、第2・四半期に同社が新型コロナウイルスワクチンを計画通りに欧州連合(EU)に供給できることを望む考えを示したが、確約はしなかった。
同社は第1・四半期のEU向けワクチン供給量を計画から大幅に削減。米国や英国と比べてワクチン接種が進んでいないEUは、アストラゼネカによるワクチン供給の遅れを批判し、増産を繰り返し要求している。
ソリオ氏は公聴会で「われわれは供給体制の改善に昼夜取り組んでおり、第2・四半期についてはできれば計画に追いついてほしい」と語った。
EUとの契約では、アストラゼネカは6月末までに3億回分のコロナワクチンを供給する計画。第2・四半期には1億8000万回分のワクチンを供給する契約だが、ソリオ氏はこの目標には言及しなかった。代わりに、第2・四半期には米国などEU域外の工場を使って増産が可能だと語った。
ソリオ氏はまた、3月末までにコロナワクチン4000万回分をEU向けに確保することに努めていると述べた。だが、この数字は契約に基づく第1・四半期の供給量の半分にも満たない。
ソリオ氏は、EU域内で生産されたワクチンの大半はEU向けに出荷されていると説明した。