[ワシントン/メキシコ市 1日 ロイター] - 米国のバイデン政権は1日、新型コロナウイルスワクチンをメキシコと分け合う計画はなく、自国民の接種を優先すると表明した。
バイデン大統領とメキシコのロペス・オブラドール大統領のビデオ会談に先立ち、ホワイトハウスのサキ報道官が明らかにした。ビデオ会談ではワクチンの問題が取り上げられるとみられていた。
同報道官は会見で「すべての米国人の接種を確実にすることが政権の優先課題だ。この目標を達成すれば、喜んで追加の措置を協議する」と述べた。
バイデン大統領はビデオ会談でこの問題を協議することを記者団に明らかにしたが、会談終了後に発表された公式声明にはワクチン配布に関する言及はなかった。
バイデン大統領は、全国民の接種に必要なワクチンを7月下旬までに調達すると表明している。
米疾病対策センター(CDC)によると、同国ではこれまで7690万回のワクチン接種が行われた。すでに配布されたワクチンで人口の23%が2回目のワクチン投与を受けることが可能という。
ロイターがまとめたデータによると、メキシコで投与されたワクチンは250万回分で、人口の約1%。メキシコ政府は供給不足に不満を抱いており、富裕国がワクチンを買い占めるとの懸念を強めている。
ロペス・オブラドール大統領はビデオ会談に先立ち、バイデン大統領にワクチンを分け合うよう求める意向を示していた。
両国は、会談終了後に発表した共同声明で、新型コロナ対策で協力を深めると表明。「移民の尊厳と、秩序ある安全な正規の移住の重要性を認める」移民政策で協力する意向も示した。