[ロンドン 2日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は2日に公表したリポートで、2020年の全世界の二酸化炭素(CO2)排出量が前年比5.8%減少したと明らかにした。
新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)などにより企業活動や移動が制限されたことから、一次エネルギーの需要が4%減少した。これによりCO2の排出量は欧州連合(EU)全体の排出量に相当する約20億トン急減したという。
主要国でCO2の排出量が増えたのは世界最大の排出国である中国だけで、7500万トン(0.8%)増となった。世界3位のインドでは9月から前年比で増加に転じた。
IEAは主要国の経済活動が活発化しエネルギー需要が高まったため、排出量は12月に前年同月比6000万トン(2%)増となり、一段の増加が見込まれるとしている。
IEAのビロル事務局長は「世界経済が今年予想通り回復し、主要国で大きな政策の変更がなければ、2021年の排出量は増加する可能性が高い」と述べた。
またIEAによると、2020年は発電に占める再生可能エネルギーの割合が29%と19年の27%から拡大した。運輸部門の排出量は14%、電力部門は3.3%それぞれ減少した。