[ロンドン 24日 ロイター] - 英国で24日発表された2つの研究で、40代と50代の女性に新型コロナ感染症での退院後、後遺症のリスクが高いことが示された。
多くは何か月も倦怠感や息切れ、ブレインフォグなどの症状が続いていると訴えている。
研究の1つは「PHOSP」と呼ばれる研究。中年の白人女性で、糖尿病や肺、心臓の病気などの基礎疾患がある場合は、退院後5カ月たってもコロナ後遺症を訴える確率が高かった。研究を率いた呼吸器内科教授によると、およそ40歳から60歳で少なくとも2つの基礎疾患のあった白人女性に、最も深刻な後遺症の長期化が見られた。
研究は昨年3月から11月の間に英国の病院を退院した男女1077人を調査。多くが5カ月後も筋肉や関節の痛み、倦怠感、息苦しさ、ブレインフォグを中心に複数の症状を訴えた。不安神経症やうつ症状のような、臨床的に深刻と診断される状態が5カ月続いている人も全体の4分の1いた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)も12%あった。
もう1つの研究は「国際重症急性呼吸器新興感染症協会(ISARIC)」が主導し、327人を調査。50歳未満の女性は男性や50歳以上に比べ、基礎疾患がなくても倦怠感が2倍、息苦しさは7倍だった。記憶や動作や意思疎通の問題もより多かった。
PHOSPの研究に参加した別の呼吸器専門家は、男性と女性の免疫反応の違いが女性にコロナ後遺症に多いことの説明になるかもしれないと指摘。中年期の女性には「自己免疫」が多いことが知られていると説明した。ただ、この問題を十分に理解するにはもっと研究が必要だとしている。