[ベルリン 1日 ロイター] - ドイツのシュパーン保健相は1日、国立感染症研究機関であるロベルト・コッホ研究所(RKI)が国内の新型コロナウイルスのリスクレベルを「非常に高い」から「高い」に引き下げたことを明らかにした。引き下げは今年になって初めて。新規感染者数の減少を反映した。
昨年12月半ば以降、リスクレベルは「非常に高い」としていた。
同国は迅速なワクチン接種、検査の拡大、全国的な外出規制の導入により感染第3波を抑制した。RKIがまとめた7日間の感染率は10万人あたり35.2人と、6週間前の4分の1以下に減少した。
シュパーン保健相はRKIのヴィーラー所長との共同会見で「楽観的になれる根拠がある」と述べた。また、順調に解除されつつある全国的な規制措置の再導入を回避することが目標とした。その上で、この動きはポジティブなシグナルだが、全て解除されるわけではないとも指摘。「パンデミック(世界的な大流行)が終わったわけではない。事態はすぐに変化するし、間違った方向に進んでしまった例は世界中にあまりにも多い」と述べた。
ヴィーラー所長は、感染者数をさらに減少させることが不可欠であり、ワクチン接種などを通じて世界中の感染に対処する必要があると述べた。
同国のワクチン接種開始は、英国や米国に遅れをとったものの、現在は急速に進展している。1回の接種を受けた人は人口の約43%、完全に接種を済ませた人は約18%となっている。シュパーン保健相は、7月半ばまでに成人の80%─90%、8月末までに12─18歳の全ての人にワクチンを提供するという目標を掲げた。