[シドニー 10日 ロイター] - オーストラリア最大都市シドニーでは10日、新型コロナウイルスの新規感染者が343人報告され、過去最多を更新した。当局はコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)規制の違反取り締まりを強化すると表明した。ただ外出禁止令など、より厳しい措置が必要との見方は否定した。
シドニーでは6週間以上にわたってロックダウンが実施されており、500万人超が影響を受けている。この日報告された新規感染者は前日から66人増え、7日に記録したこれまでの最多を上回った。
シドニーのあるニューサウスウェールズ(NSW)州当局は3人の死亡も発表した。全員がワクチン未接種だった。
オーストラリアは他国と比べ、感染をうまく抑制してきたが、感染力の強い変異株「デルタ」が猛威を振るっている。
シドニーのロックダウンの効果に疑問が生じる中、NSW州当局は依然として「不必要な移動が多い」として、小規模な店舗で入店客数の制限が守られているか取り締まりを強化するよう警察に要請したと明らかにした。
隣接するビクトリア州でもこの日、20人の新規感染者が報告され、前日の11人から増加。20人のうち15人が感染後に他者と接触する機会があり、州都メルボルンでのロックダウンが延長される可能性が高まっている。
メルボルンのロックダウンは現在、12日に終了する予定となっている。
連邦政府のモリソン首相は、シドニーはデルタ変異株との「厳しい闘い」に直面していると述べ、自身の計画の下で16歳以上の全国民に少なくとも1回のワクチンが提供される年末までに状況がほぼ正常化することに期待を示した。
NSW州当局はロックダウンの終了を予定する今月末までに600万回分のワクチン接種を目標に掲げている。現時点で投与されたワクチンは450万回分超。
ベレジクリアン州首相は、9月や10月にどういった規制を緩和できるか確認するために迅速なワクチン接種が重要だと訴えた。