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英被雇用者数、8月は過去最大24.1万人増 コロナ禍前水準上回る

発行済 2021-09-14 16:16
更新済 2021-09-14 19:28
© Reuters.     英国立統計局(ONS)は14日、8月の就業者数が前月から24万1000人増加したと発表した。資料写真、英国内の工場、7月撮影(2021年 ロイター/Phil Noble)

[ロンドン 14日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)は14日、8月の被雇用者数が前月から24万1000人増加したと発表した。過去最大の増加幅で、新型コロナウイルス流行を受けた昨年のロックダウン(都市封鎖)前の水準をわずかに上回った。

5月─7月の英失業率は4.6%に小幅低下。ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。

今回の指標を受け、英政府が一時帰休支援プログラムを9月末に終了するのを前に雇用市場の回復継続が示された。

7月までの3カ月で就業者数(被雇用者と自営業者含む)は18万3000人増の3240万人。予想とほぼ一致した。新型コロナ流行前の記録的な高水準である3310万人を大幅に下回っている。

8月の求人数は103万4000人で、2001年の統計開始以来最高となった。宿泊・食品サービスでの求人が目立った。

一部のスーパーやレストランでは、トラック運転手や食品加工員が不足し、一時的に商品が不足する事態となっている。

英産業連盟(CBI)は「現在の供給不足・人手不足がさらなる成長を妨げている」と指摘。新たな労働者を訓練する間、移民規制を一時的に緩和するよう政府に求めている。

5月─7月の平均週収は前年比8.3%増加。ただ、ONSは新型コロナや一時帰休の影響で実態が大きくゆがんでいると指摘した。

5月─7月のボーナスを除く給与は前年比6.8%増。ONSによると、実質的な賃金総額の伸び率を前年比3.6─5.1%と推定している。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「労働市場の緩みが急ピッチで縮小しており、人手不足で実質賃金の伸びが加速していることが改めて明らかになった」と指摘。

同氏は人手不足は一時的だろうと予想した上で「人手不足が予想以上に長引けば、インフレが高止まりし、英中銀が来年、金利を引き上げる可能性がある」と述べた。

統計発表を受け、英国債利回りは上昇。2年債利回りは新型コロナ流行後で最高の水準となった。

金融市場は、来年5月までに政策金利が現行の0.1%から0.25%に引き上げられるとの見方を織り込んでいる。ロイターのエコノミスト調査では、平均で2022年終盤に最初の利上げがあると予想されている。

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