[香港 22日 ロイター] - 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は22日、香港の740万人の住民に対し、3月中旬から3回の新型コロナウイルス検査を義務付けると発表した。大学の研究者らが、3月に1日当たり新規感染者が18万人に上る恐れがあると予測しているのを受けた動き。パンデミック発生以降の2年間で最も厳しい措置となる。
感染拡大で医療体制が逼迫する中、記者会見した林鄭氏は、厳格な新型コロナ規制を4月半ばまで実施し、学校は早めの夏季休暇に入り、8月から新学年を迎えることになると表明。「これからの1─3カ月間が新型コロナのパンデミック(世界的大流行)対策のために極めて重要だ」と訴えた。
1日当たりの検査能力は100万人に達する。林鄭氏は、学校のキャンパスを含む会場が検査や隔離に使われる可能性があると指摘した。
林鄭氏は、中国本土と同様の「ダイナミックゼロ」政策を繰り返し表明。いかなる代価を払ってでもあらゆる流行を根絶することを目指しているとし、中国本土当局からの「揺るぎない支援」にあらためて謝意を表した。
一方、中国本土のような全都市規模のロックダウン(都市封鎖)は考えていないと説明。ただ、政府は仮設病院の建設を支援する。
保健当局は、新型コロナの新規感染者が6211人、死者が32人、予備検査での陽性者数が9369人だったと報告。検査が滞っており、全体像は把握できていないと説明した。
香港は新型コロナ感染抑制のため、世界で最も厳しいルールを既にいくつか設けている。厳しい規制によって着陸できる航空便は非常に少なく、大部分の乗り継ぎ客の立ち寄りを禁止されている。
林鄭氏によると、英米を含む9カ国からの航空便が4月20日まで禁止され、他の国も追加される可能性がある。
3人以上の集まりを禁止し、学校やジム、美容院といった人が集まる場所の大部分が閉鎖される。
学校はオンラインで授業をしているが、7─8月の休暇は3─4月に前倒しされる。林鄭氏は4月から対面授業を再開することが可能になり、8月から通常通り新学年を迎えられるようにしたいと表明した。