[香港 8日 ロイター] - 香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は8日、新型コロナウイルス対策で入境者に義務付けているホテルでの隔離について、全ての人を対象に期間を現在の7日間から3日間に短縮すると発表した。12日から適用する。
ホテル隔離終了後もさらに4日間、自主管理が義務付けられ、その間はレストランやバーなどの入場が禁じられるとした。
行政長官は「人々の生活と香港の競争力のバランスを取り、地域社会に最大限の勢いと経済的活力を与える必要がある」と語った。
隔離中の人には政府のアプリで赤の識別コードが表示される。隔離を終了すると、混雑した場所への立ち入り禁止を示す黄色に変わる。
香港では以前、隔離期間は最長3週間だった。現在は少なくとも1週間で、頻繁に検査を受けたり多数の書類に記入する必要がある。
香港の隔離用ホテルは部屋代が高く、通常数カ月前から予約で埋まる。支払いは前払いで、政府の方針変更や航行便の欠航がない限り、払い戻しは認められない。
企業幹部らは、香港の競争力がコロナ対策で阻害されていると指摘しており、7月1日に就任した李長官が隔離義務を解除することを望んでいる。
香港は2020年以降、ほぼ完全に境界を封鎖。域外からの訪問者は厳格な検疫措置や検査が義務付けられてきた。今なお到着時に隔離を必要としている国・地域は世界的にごく少数となっている。
李氏は香港を中国本土や世界と再びつなぐと表明。7月には、コロナに感染した乗客を香港へのフライトで輸送した航空会社に一定期間の運航禁止を命じる制度について、混乱を招くとして停止した。
同制度に基づく運航禁止処分は今年100件超に上っており、企業や住民の不満が高まっていた。