[香港 10日 ロイター] - 香港のトウ炳強(クリス・タン)保安局長は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に書簡を送り、香港当局による天安門事件の犠牲者を追悼する記念像の押収に関する論説記事について、読者の誤解を招く「根拠のない意見」が含まれていると抗議した。
香港政府が10日、オンライン上に書簡のコピーを投稿した。
「反体制的な芸術は香港で犯罪」と題した記事では、2021年に解体されて香港大学の敷地内にある貨物コンテナに保管されていた「国殤の柱」と呼ばれる像を香港警察が手続きを取らずに押収したと指摘。
タン氏はこれは事実ではなく、当局は裁判所の令状に基づき5日に押収し、記者発表も行ったと反論。「この記事が犯罪捜査にかかる展示物を『芸術作品』として紹介し、この件を単なる『反対派』に関するものとしていることは全く誤解を招くもの」としている。
その上で、香港の法執行機関は、香港国家安全維持法(国安法)を含む香港の法律に違反して行動する人々や団体に対処する義務を負っているとした。
WSJからは今のところコメントを得られていない。