[東京 11日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比170円95銭高の3万1917円48銭と、続伸した。米金利の低下を受けて前日の米国株が上昇した流れを引き継ぎ、日本株も買いが優勢となった。特に半導体関連株がしっかりで、指数を支えた。ただ、日経平均は前日に大幅高となった反動で利益確定売りもみられ、前場後半は一進一退の値動きとなった。
日経平均は前営業日比100円高と、底堅くスタート。徐々に上げ幅を広げ、前場中盤には一時202円高の3万1949円49銭まで上昇する場面もあった。ただ、前日に大幅上昇したことから利食い売りも出て、次第に上げ幅を縮小し、もみ合う展開となった。
物色動向としては、好決算を発表した銘柄が買われたほか、前日の米市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が1.29%高となったことを好感し、半導体関連株が堅調で、相場を支えた。
米金利の低下に伴い、足元の株式市場は底堅さをみせているが、「はっきりと米景気の減速が確認されているわけではなく、引き続き米金利動向や米連邦準備理事会(FRB)高官の発言に対して神経質な展開は続くだろう」(いちよし証券の銘柄情報課課長・及川敬司氏)との指摘が聞かれた。
目先の日経平均については上値追いに慎重になりそうだ、との意見も出ている。「10月2日には3万2400円台を付けたが、すぐに押し戻された経緯もあり、3万2000円台では上値の重さが意識されるのではないか」(国内証券・ストラテジスト)という。
TOPIXは0.04%安の2311.24ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆6123億9600万円だった。東証33業種では、値上がりは輸送用機器や精密機器、空運など10業種で、値下がりは海運や鉄鋼、不動産など23業種だった。
個別では、レーザーテックが5.3%高で推移し、東証プライム市場の値上がり率第3位に入ったほか、東京エレクトロンが2.4%高、アドバンテストが3.8%高で堅調だった。
前日に業績予想の引き上げを発表したJ.フロント リテイリングは一時5%超高となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが502銘柄(27%)、値下がりは1264銘柄(68%)、変わらずは70銘柄(3%)だった。