[ブエノスアイレス 12日 ロイター] - アルゼンチンで11日、10月の大統領選挙の予備選挙が実施され、野党候補のフェルナンデス元首相が現職マクリ大統領を抑えて首位となり、マクリ氏の再選が危ぶまれる状況となった。
選挙管理委員会によると、フェルナンデス氏の得票率はマクリ氏を15.5%ポイント上回った。トレーダーによると、予備選の結果を受け、アルゼンチンペソは12日の取引で1ドル=65ペソと約30%急落。債券や株価も下落が予想されるという。
アナリストは、これはマクリ大統領にとって「ゲームオーバー」になり得ると予想。投資家は、野党が過去に介入的な政策をとったことを踏まえ、フェルナンデス氏が大統領になれば、自由市場経済を推進するマクリ大統領よりもリスクが高くなるとみている。
予備選でのフェルナンデス氏のリードは、最近の世論調査で想定されていた2─8%ポイントを上回った。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストは、フェルナンデス氏の勝利は想定していた弱気シナリオよりも極端だったと指摘。「ハードカレンシー建て資産に対する大幅な売りのほか、数週間以内の通貨切り下げなどアルゼンチンペソへの大きな圧力が予想される」とした。
キャピタル・エコノミクスは顧客向けノートで、フェルナンデス氏の勝利は「多くの投資家が恐れている左派ポピュリズム回帰への道を開いた」と言及。「ソブリン債のデフォルトリスクが改めて注目されることで、債券、株価、アルゼンチンペソは数日内に厳しい圧力にさらされるだろう。もっとも通貨安は外為市場への介入により抑制される可能性がある」とした。
大統領選挙で勝利するためには45%以上の得票率か、得票率40%以上かつ2位との差が10%ポイントになることが必要。今回の予備選挙の結果は10月の本選挙で大統領が決定し、11月の決選投票にはもつれ込まないことを示唆している。
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