(決算速報)
マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は11月14日に23年6月期第1四半期連結業績を発表した。成長に向けた広告・採用投資を継続しているため赤字だが、前年同期比では各事業が好調に推移して大幅増収となり、粗利率改善効果も寄与して赤字縮小した。そして通期黒字転換予想を据え置いた。中期経営計画が順調に進捗して収益回復基調だろう。株価は第1四半期業績を嫌気する動きが優勢となって反落したが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■23年6月期1Q赤字縮小、通期黒字転換予想で収益回復基調
23年6月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比40.8%増の36億71百万円、営業利益が57百万円の赤字(前年同期は1億65百万円の赤字)、経常利益が70百万円の赤字(同1億61百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億01百万円の赤字(同1億21百万円の赤字)だった。
成長に向けた広告・採用投資を継続しているため赤字だが、前年同期比では各事業が好調に推移して大幅増収となり、粗利率改善(2.8ポイント上昇)効果も寄与して赤字縮小した。
ネット型リユース事業は、売上高が31.6%増の19億36百万円(個人向けリユースが21.0%増の14億55百万円、マシナリーが87.3%増の4億44百万円、おいくらが12.5%増の36百万円)で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が48百万円の黒字(前年同期は4百万円の赤字)だった。3領域とも増収となり、過去最高の四半期売上高となった。利益面は増収効果で損益改善した。
メディア事業は売上高が65.9%増の2億09百万円、利益が91.6%増の1億28百万円だった。収益性の高いキーワードにおける検索ランキングが堅調に推移し、モバイル通信に関するメディアへの送客収入が増加した。
モバイル通信事業は売上高が53.8%増の15億77百万円、利益が28百万円の黒字(前年同期は7百万円の赤字)だった。自社通信メディアからの送客が堅調に推移して新規回線獲得数が増加した。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年6月期比25.1%増の150億円、営業利益が3億円の黒字(22年6月期は3億19百万円の赤字)、経常利益が2億75百万円の黒字(同3億28百万円の赤字)、そして親会社株主帰属当期純利益が1億67百万円の黒字(同4億04百万円の赤字)としている。
部門別売上高(調整前)の計画は、ネット型リユース事業が47.9%増の98億04百万円(個人向けリユースが45.9%増の75億円、マシナリーが46.5%増の20億円、おいくらが2.4倍の3億04百万円)、メディア事業が16.9%増の7億円、モバイル通信事業が2.9%増の50億円としている。
個人向けリユースを中心に成長戦略を加速し、出張買取人員採用強化などの先行投資を継続するが、事業を譲り受けたファミリーの中古農機具買取・販売事業とのシナジー効果なども寄与して大幅増収・黒字転換予想としている。中期経営計画(21年8月13日公表)の最終年度24年6月期の目標値である売上高200億円、営業利益12億円の達成に向けて、成長戦略再構築の進捗は順調としている。収益回復基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は第1四半期業績を嫌気する動きが優勢となって反落したが、目先的な売り一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月16日の終値は996円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS31円39銭で算出)は約32倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS197円95銭で算出)は約5.0倍、そして時価総額は約53億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)