[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ユーロが一時対ドルで約2年ぶりの安値に沈んだ。低調なユーロ圏成長見通しに圧迫された。しかしテクニカル上の支持線を試した後切り返し、終盤にかけ上昇に転じた。
ユーロ/ドル (EUR=)は一時2017年5月以来の安値となる1.0903ドルを付けた。その後は値を戻し、1.0938ドル近辺で推移した。
TDセキュリティーズの為替ストラテジスト、メイゼン・イッサ氏は「ユーロ圏の成長および成長見通しの悪化継続が最近のユーロ下落トレンドを長期化させているようだ」とした。欧州中央銀行(ECB)の刺激策もユーロ押し下げ要因になると指摘した。
ユーロが前日終盤に1.0925ドル近辺にある支持線を一時的に下抜けたことを受け、市場は「持続的に支持線を下回ることをためらったよう」としたほか、月末のリバランスからリスクを控える動きとなったことも指摘した。
コメルツ銀のアナリストも、今週発表されたユーロ圏指標は相次いで低調な内容となり、「米欧における情勢の格差が浮き彫りとなった」と述べた。
ポンドは一時対ドルで2週間ぶり安値となる1.2269ドルを付けた。イングランド銀行(英中銀)金融政策委員会のソーンダーズ委員が、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る高度の不確実性が根強いという可能性が高いシナリオにおいて、英中銀は利下げを迫られると発言したことが重しとなった。 終盤の取引では1.2291ドルまで戻した。
人民元は対ドルで下落。ドルは0.31%高の7.1451元となった。トランプ政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討しているとの報道が材料視された。
ドル/円 NY終値 107.92/107.95
始値 108.09
高値 108.17
安値 107.80
ユーロ/ドル NY終値 1.0938/1.0940
始値 1.0937
高値 1.0958
安値 1.0927
(表はリフィニティブデータに基づいています)