[シドニー 2日 ロイター] - 豪銀大手ウエストパック銀行 (AX:WBC)とオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ) (AX:ANZ) は、中銀が1日に決定した利下げを受けて住宅ローンの変動金利を小幅に引き下げたが、他の大手2行と同様、中銀の利下げ幅を完全には反映しなかった。
中銀のオーストラリア準備銀行は、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを1.00%から0.75%に引き下げることを決定。これを受け、フライデンバーグ財務相は「今回の25ベーシスポイント(bp)の利下げを銀行が完全に反映させると政府は期待している」と述べて、銀行に貸出金利引き下げを迫った。[nL3N26M33E]
ただ、アナリストは中銀による今年計3回の利下げや今後見込まれる追加利下げは、国内行の純金利マージン(NIM)を一段と圧迫すると警告している。
ウエストパックは住宅ローンの変動金利を15bp引き下げると発表。ANZは14bpの引き下げを計画している。
両行とともに豪四大銀行を構成するコモンウェルス銀行(CBA) (AX:CBA)とナショナル・オーストラリア銀行(NAB) (AX:NAB)も中銀の決定の数時間後に居住用住宅ローンの標準変動金利を13bpと15bp、それぞれ引き下げている。
ANZは「低金利環境におけるわれわれの顧客のニーズと、われわれのビジネスのパフォーマンス、われわれが景気刺激に果たす役割とのバランスをとるべく、慎重に下した決定」と説明した。
他の3行も同様の見解を表明した。
モリソン首相は2日、4大銀行は金融緩和の完全な恩恵を借り手に及ぼすことを拒否し、「不当な利益を手にした」などとして批判した。
首相はスカイTVのインタビューで「彼ら(大手銀行)は学習することがない。残念だ」とし「銀行は不当な利益を得ている。(借り手は)失望する理由がある」と語った。また、銀行は「(ローン金利の引き下げ幅を小幅にとどめる)理由を説明しており、国民はその説明を基に判断することになるが、私は(説明に)納得していない」と述べた。
オーストラリアでは、住宅ローンの80%近くと、企業向け融資の大部分が、変動金利に連動している。
*内容を追加しました。