[シドニー 12日 ロイター] - ナショナル・オーストラリア銀行(NAB) (AX:NAB)が発表した10月の企業景況感指数は前月から1ポイント上昇し、プラス3となった。ここ数カ月さえない状況が続いていたが、販売指数がプラス7と3ポイント上昇し、安定化の兆しが見えてきた。
ただ景況感指数は長期平均のプラス6を引き続き下回った。変動の激しい企業信頼感指数は2ポイント上昇してプラス2だった。
NABグループのチーフ・エコノミスト、アラン・オスター氏は「先行指標はやや改善し、状況の安定化を示唆している可能性があるものの、今回のデータは引き続き、企業セクターの抑制された状況を示している」と指摘。「最近の利下げの効果が経済に波及するには時間がかかることを踏まえると、今年実施された財政・金融政策は、企業セクターの成長鈍化を補う効果をほとんど発揮していないようだ」と語った。
オーストラリアは1990年代初め以降、リセッション(景気後退)を回避しているものの、さえない消費支出や賃金の伸び悩みを背景に景気は減速している。
こうした状況を受け、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は今年3回利下げを実施。政府も7月に税金還付を実施したが、消費支出はさえないままとなっている。
NABのデータでは、内需動向が反映される今後の受注に関する指数がマイナス2からプラス3に上昇した。
豪ドル安で増大した輸入コストを転嫁する動きを背景に、小売価格が押し上げられ、インフレを示す指数は大幅に上昇した。