[上海 18日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は18日、7日物リバースレポの金利を2.55%から2.50%に引き下げたと発表した。
7日物リバースレポ金利の引き下げは2015年以降で初めてとなる。
景気を下支えする意向を市場に示した形。人民銀行は2週間前には1年物中期貸出ファシリティー(MLF)金利を5ベーシスポイント(bp)引き下げている。[nL3N27L0M7]
アナリストは、今回の予想外の金利引き下げについて、インフレの進行で人民銀行が景気を刺激できないとの市場の懸念を和らげる狙いがあると分析している。
コメルツ銀行のエコノミスト、Zhou Hao氏は、今後数カ月以内に政策変更があると予想。「当面は経済成長の下支えを優先するといった(政策の)微調整」があるとの見方を示した。
中国では、アフリカ豚コレラの影響で豚肉価格が急騰。10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、政府目標の3%前後を上回り、約8年ぶりの高水準となった。[nL3N27Q02E]
香港のポートフォリオマネジャーは、人民銀行が引き続き慎重に金融緩和を続けると予想。人民銀行は16日、第3・四半期の金融政策報告を公表し、インフレの進行を防ぐため、穏健な金融政策を維持すると表明している。[nL5N27X028]
リバースレポ金利とMLF金利の引き下げを受けて、市場では人民銀行が今月20日にローンプライムレート(LPR)を引き下げると見方が強まっている。
LPRは現在、1年物
方正証券のチーフエコノミスト、Yan Se氏は、リバースレポ金利の引き下げについて、人民銀行が公開市場操作を通じて長期的な経済成長を刺激しようとしていると指摘。5bpのLPR引き下げに加え、預金準備率引き下げの可能性もあるとの見方を示した。
キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は、短期の流動性をレポに強く依存している銀行の追加資金調達コストを引き下げることが狙いだと指摘。
「景気の減速は続いており、近く底入れする可能性は低い。人民銀行は、最近低迷している融資を促すため、一段の措置を講じるだろう」とし、7日物リバースレポ金利が来年半ばまでにさらに70bp引き下げられるとの見方を示した。
18日午前の中国国債先物12月限
人民銀行は15営業日連続でリバースレポによる市場操作を見送っていたが、この日はリバースレポを再開し、銀行間市場に1800億元(257億4000万ドル)を供給した。
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