[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツ経済省が発表した10月の鉱工業受注は、国内外の需要が弱く、予想に反して減少した。
第4・四半期も製造業の低迷が続くとの見方が浮上している。
10月の鉱工業受注指数は前月比0.4%低下。ロイターがまとめた市場予想は0.3%上昇だった。
9月は前月比1.3%上昇から1.5%上昇に上方改定された。
経済省は、鉱工業受注がここ数カ月安定しており、企業の予想がやや上向いていると指摘。
ただ「製造業の活動は依然として弱い。このため、第4・四半期の製造業の見通しは引き続き低迷している」と述べた。
国内受注は3.2%減。ユーロ圏外からの受注は4.1%減だった。
他のユーロ圏諸国からの受注は11.1%増。大型受注が寄与した。
10月の全体の鉱工業受注は、大型受注を除くベースでは、1.4%減。
ドイツの製造業は、外需の低迷、貿易摩擦、欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感で打撃を受けている。
<製造業の苦境続く>
VPバンクのエコノミスト、トマス・ギッツェル氏は「ドイツの製造業は依然として苦境にある」と指摘。熟練従業員を継続雇用するために政府に支援を申請する企業が増えているが、短期でしか雇用できない状況だとの見方を示した。
特に機械や設備などの資本財の需要が弱く、消費財や中間財の受注は小幅に増加した。
同氏は、自動車産業の低迷がドイツ経済の「巨大な重し」になっているとも指摘。ドイツの自動車メーカーは、排ガス不正問題を受けた規制強化や電動化への対応を迫られている。
ドイツ自動車工業連盟(VDA)は4日、来年も自動車販売の低迷が続き、追加の人員削減が必要になるとの見通しを示した。[nL4N28F0FJ]
コメルツ銀行のアナリスト、クリストフ・ワイル氏は「受注安定への期待が目に見えて低下している」と指摘。今後数カ月、製造業が景気の足を引っ張り、第4・四半期のドイツ経済は停滞する可能性が高いとの見方を示した。
*内容を追加しました。