[パリ 2日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界経済が世界的な金融危機以降で最悪の低迷期に入りつつあると表明、各国政府・中銀に対応を求めた。
OECDによると、今年の世界経済の成長率は2.4%と、2009年以降で最低となる見通し。昨年11月時点の予想は2.9%だった。
来年の世界経済の成長率は3.3%に回復する可能性がある。これは、中国の感染拡大が第1・四半期にピークに達し、他国への感染拡大が穏やかで抑制されたものになると想定した場合の予測という。
新型ウイルスがアジア・欧州・北米全域に広がった場合は、今年の世界経済の成長率が最大1.5%に減速する可能性がある。
OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏はロイターに「この下振れシナリオの要点は、多くの国がリセッションに陥るということだ。だからこそ、我々は感染地域でできる限り早く対策を講じる必要があると訴えている」と述べた。
各国中銀は必要なら銀行への流動性供給など追加緩和を行う用意があることを金融市場に示すことも可能と指摘。「保健危機に金融危機を加えたくない」とブーン氏は述べた。
同氏は「20カ国・地域による保健、財政、金融政策の協調は、力強い信認のメッセージを送るだけでなく、各国の措置の効果を増加させる」と語った。
事態がこれ以上大幅に悪化しないというOECDの基本シナリオによると、中国の今年の成長率は4.9%と30年ぶり低水準になる見込み。11月の見通しは5.7%だった。2021年は6.4%と予測。
ユーロ圏の成長率は今年0.8%と予想、11月は1.1%だった。21年は1.2%。
米国への影響度は限定的で今年は1.9%(11月は2.0%)、21年は2.1%と予想している。
*内容を追加しました。