[ロンドン 2日 ロイター] - IHSマークイット/CIPSが発表した2月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は51.7で、前月の50.0から上昇した。
これは昨年4月以来の高水準。速報値の51.9からは下方修正された。
ただ、納品の遅れを報告する企業が急増しており、新型コロナウイルスの感染拡大が製造業の重しとなり始めている。
IHSマークイットのディレクター、ロブ・ドブソン氏は、昨年12月の総選挙後に始まった製造業の回復基調は続いていると指摘。
新規受注の増加ペースは11カ月ぶりの高水準。企業の楽観度も9カ月ぶりの高水準だった。
ただ同氏は、新型ウイルスの感染拡大で先行きに不安が生じていると指摘。
「サプライチェーンの混乱が急速に表面化しつつある。新型ウイルスの感染拡大が、サプライヤーのリードタイム(商品の発注から納品までに要する時間)の大幅な長期化、原材料不足、原材料在庫の縮小、原材料価格の上昇、中国をはじめとするアジアからの受注減少につながっている」と述べた。
企業は在庫を取り崩しており、在庫の縮小ペースは過去7年あまりで最高。一部の原材料不足で価格が値上がりしており、値上がり分の一部が顧客に転嫁されているという。
また英国の欧州連合(EU)離脱を受けて、海外の顧客が英国からサプライチェーンを移しているとの回答も一部でみられた。
ドブソン氏は、投資財の需要低迷が続いており、設備投資の拡大を維持するには企業心理の回復がまだ不十分であることを示唆していると指摘。「サプライチェーンの逆風が強まっており、EUとの通商交渉も始まった。今後、回復軌道を維持できるかは不透明だ」と述べた。