[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日発表した2月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.5%減の159万9000戸だった。集合住宅が大幅に減った。市場予想の150万戸は上回った。新型コロナウイルスの感染拡大が景気に打撃となる中、今後も落ち込み続ける可能性がある。
1月の着工件数は当初発表の156万7000戸から162万4000戸へ上方改定された。
2月の前年同月比は39.2%増加した。
2月の住宅着工許可件数は前月比5.5%減の146万4000戸だった。1月は155万と、2007年3月以来の高水準だった。
住宅市場は、18年第1・四半期から19年第2・四半期まで弱含んだ後、住宅ローン金利の低下に伴い持ち直している。ただ新型ウイルスの打撃で回復は中断される可能性が高い。新型ウイルスによって米国内では死者が出ているほか、エコノミストは第2・四半期までに米経済が景気後退入りすると判断するようになった。
米連邦準備理事会(FRB)は15日、政策金利をほぼ0%まで切り下げたほか、数千億ドル規模の資産買い入れも発表した。ほかの主要中銀とともにドルの流動性供給を拡充する対策も打った。
新型ウイルスの感染拡大で株価は暴落し、個人の資産価値が大幅に減った。17日に公表された3月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は小幅な低下にとどまったものの、NAHBは統計の半分が3月4日より前に集計されたと指摘し、新型ウイルスによる経済への打撃は、4月の統計に一段と表れるとの見方を示した。
住宅着工件数の内訳は、住宅市場の大半を占める一戸建て住宅が6.7%増の107万2000戸だった。地域別では北東部と中西部、人口の多い南部で増えた一方、西部は減った。
一戸建て住宅の許可件数は1.7%増の100万4000戸だった。
月々の変動が激しい集合住宅の着工件数は、5世帯以上の集合住宅が17.0%減の50万8000戸だった。許可件数は20.2%減った。
完成件数は一戸建てが14.1%増の102万7000戸で、07年12月以来の高水準。建設中の住宅在庫は1.4%増の122万2000戸で06年12月以来最多となった。
ムーディーズ・アナリティックスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は「住宅ローンは住宅市場を支援しているが、新型コロナが大きな打撃になるだろう」とし、3月と4月に影響が出ると見通した。