[パリ 24日 ロイター] - IHSマークイットが発表した3月のフランスの購買担当者景気指数(PMI)速報値は、総合指数が30.2と、前月の52.0から大きく落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大による生産・営業活動の停止がフランス経済の広範囲に深刻な打撃を与えている。ロイターがまとめたエコノミストの予想平均である39.8を大幅に下回り、エコノミストの最も低い予想(36.0)にも届かなかった。
好不況の分かれ目となる50の水準から大きく遠ざかり、22年前の算出開始以来の低水準に急降下した。
3月のPMIは、とりわけ仏政府が16日に外出制限令を発表して以降、新型コロナが事業活動に及ぼす悪影響について企業幹部らがかなり厳しい予想をしていることをうかがわせる。
自動車大手のルノー (PA:RENA)が国内生産停止、航空大手のエールフランスKLM (PA:AIRF)が減便を余儀なくされるなど、幅広い企業が通常の操業ができなくなっている。
PMIの落ち込みは製造業に比べてサービス業の方が激しい。3月のサービス部門PMIは2月の52.5から29.0に急低下し、過去最低を記録した。ロイターがまとめたエコノミストの予想平均である42.0、最も低いエコノミスト予想の32.0も下回った。
一方、製造業PMIは前月の49.8から42.9に低下したものの、ロイターがまとめた予想平均の40.0ほど悪くなかった。
IHSマークイットのエコノミスト、エリオット・カー氏は「3月はサービス部門のPMIが記録的な急低下を見せたが、製造業部門も世界的な金融危機時以来の落ち込みとなった」としたうえで、「合わせて考えると、GDPの年率でのマイナス幅が2桁に近づいていることを示している」との見方を示した。
仏政府はこれまでに、新型コロナウイルスによる打撃で今年は1%のマイナス成長になるとの予想を示している。
ルメール経済・財務相は17日、450億ユーロ(502億ドル)規模の企業支援措置を導入する考えを示した。[nL4N2BA2Y0]