[ロンドン 17日 ロイター] - 米大統領選の野党民主党大統領候補であるバイデン前副大統領は、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡り、英国は北アイルランド和平合意を尊重しなければならないとし、さもなければ米国との通商協定は得られないと英国に警告した。
バイデン氏は「われわれは北アイルランドに和平をもたらした『グッドフライデー合意』がブレグジットの犠牲になることを容認できない」とツイート。「米国と英国の間のいかなる通商協定も同合意の尊重、およびハードボーダー(厳格な国境)への回帰を阻止することを条件とせざるを得ない」とした。
EUは離脱協定の一部を無効化する英国の「国内市場法案」を巡り、協定を破れば通商協議を損ない、その結果として英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間の国境を複雑にする可能性があるとしている。
英国のジョンソン首相は、グッドフライデー合意を脅威にさらしているのではなく、むしろ守ろうとしていると主張。首相報道官は「ジョンソン氏は、いかなる状況下でも合意が確実に守られるように措置を取っていると、常に明確に示してきた」と述べた。
英保守党のイアン・ダンカンスミス元党首は、バイデン氏の発言を鋭く批判。英タイムズ紙に対し「北アイルランド和平合意について、バイデン氏が講釈するは必要ない。私がバイデン氏の立場にあったら、外国について講釈を垂れる前に、米国内で発生している暴動を止めるための和平合意の必要性についてむしろ懸念する」と述べた。
バイデン氏はアイルランド系移民の子孫。11月3日の米大統領選挙に向け、世論調査で共和党のトランプ大統領をリードしている。
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