[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日に発表した12日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は88万5000件と、前週の86万2000件から予想外に増加した。新型コロナウイルス感染者の急増が引き続き経済活動を阻害しており、景気後退(リセッション)からの回復の鈍りが改めて浮き彫りとなった。
増加は2週連続。ロイターがまとめたエコノミスト予想は80万件だった。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は、「予想に反する新規失業保険請求件数の増加は、労働市場の回復が後退していることを改めて示した」と述べた。
調整前の新規失業保険申請件数は93万5138件と、前週から2万1335件減少した。コロナ禍で引き起こされた経済的な衝撃で申請件数の季節調整が難しくなっていることから、エコノミストは調整前の数字にも注目している。
5日までの1週間の失業保険受給総数は550万8000件と、前週から27万3000件減少。予想の559万8000件も下回った。
自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)を受けている人は11月28日までの1週間で924万人と、前週から70万人増加。失業保険の受給期間を最長13週延長するパンデミック緊急失業補償(PEUC)を受けている人は480万人と、前週から約27万人増加した。
米議会指導部による9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加景気対策を巡る協議は、17日も合意に向け前進しているものの、つなぎ予算が切れる18日深夜までに合意できるか不透明な情勢となっている。
エコノミストは、新たな財政刺激策が個人消費の低迷を相殺したり、さらなる解雇を防いだりするのに役立つものの、完全に阻止することはできないと述べている。
*内容を追加しました。