[ワシントン 4日 ロイター] - 米労働省が4日発表した2020年第4・四半期の非農業部門の労働生産性(速報値)は年率換算で前期比4.8%低下し、1981年第2・四半期以来の大幅な落ち込みとなった。
ただ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の打撃は娯楽や宿泊など比較的生産性が低い業種に偏っていることから、労働生産性は基調としては底堅さを保っている。市場予想は2.8%低下だった。
第3・四半期の労働生産性は当初発表の4.6%上昇から5.1%上昇へ上方改定された。20年全体では前年比2.6%上昇した。19年は1.7%上昇だった。第4・四半期の前年同期比は2.5%上昇した。
労働時間は前期比10.7%増えた。第3・四半期は37.1%増加していた。
生産単位当たりの報酬を示す単位労働コストは前期比6.8%上昇し、第3・四半期の7.0%低下から持ち直した。第4・四半期の前年同期比は5.2%上昇だった。20年全体では4.3%上昇。19年は1.9%上昇していた。
新型コロナの打撃が低賃金業界に偏っているため、ゆがみはあるものの、労働コストが持ち直したことは今年物価が上昇するとの見方を後押しする。
時間当たりの労働報酬は前期比1.7%増。第3・四半期は2.2%減だった。第4・四半期の前年同期比は7.8%増加した。20年全体では7.0%増。19年は3.6%増だった。
JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は、今回の低下について、「前の期に生産性が非常に力強く伸びた後だった」と指摘。これまではパンデミックで一部の経済活動が低生産性部門からシフトし、統計の一部ノイズを通じて生産性の伸びが改善していたと分析した。
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20210204T155421+0000