[コロンボ 12日 ロイター] - スリランカ中央銀行のニバード・カブラール総裁は12日、同国政府が2022年に期日を迎える債務を全て返済すると表明、外貨準備の縮小に対応する包括的な計画を作成する方針を示した。
同国は昨年末、中国との通貨スワップ協定(15億ドル)を利用して外貨準備を31億ドルに拡大した。現在、インド、カタールと総額29億ドルの与信枠・通貨スワップ協定について協議を進めている。
22年は45億ドルの債務が返済期限を迎える。まず今月18日に国際ソブリン債(ISB)5億ドルの期日が到来するが、すでに資金の手当てはできているという。
総裁は政府主催のイベントで「債務を返済しなければ、問題が大きくなる。債務など国内経済の問題に対処するより包括的で長期的な計画が必要だ」と述べた。
総裁によると、過去2年間は新型コロナウイルスの流行で約90億ドルの観光収入が失われたが、観光産業は今後2─3カ月で回復し、外貨準備の増強につながる見通し。
中国に新規の融資を求める可能性があるとも発言した。
一部のアナリストは、将来的に国際通貨基金(IMF)への支援要請が必要になる可能性を指摘しているが、総裁は「IMFは数ある選択肢の1つにすぎない。私たちは今辿っている道のりが最適だと考えている。IMFは万能策でも魔法の杖でもない」と述べた。