[東京 18日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、底堅い値動きが予想される。ウクライナやイラク情勢をめぐる懸念が意識され週初は神経質な相場展開となりそう。だが、日米欧のさえないマクロ指標は緩和環境が当面続くとの思惑につながり、金融市場はリスクを取りやすい状況だ。21日からの米ジャクソンホール会議が注目されるものの、相場を大きく動かすようなイベントとはなりにくい。日本株は緩やかに下値を切り上げる展開が見込まれる。
日経平均の予想レンジは1万5100円─1万5600円。
ロシアのプーチン大統領が14日、ウクライナでの惨事を終結させるために全力を尽くすと表明したことで、地政学リスクが後退。前週末の時点では「再びリスクを取りやすい環境になった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏)とみられていたが、15日の東京株式市場引け後、ウクライナ領内に入ったロシア軍の装甲車両をウクライナ軍が攻撃したとのニュースが伝わったほか、米軍によるイラク空爆拡大の報道など地政学リスクの再燃を懸念させる状況になっている。日経平均は5日続伸した後で短期の過熱感もあり、週初は上値が重そうだ。
だが、底堅い地合いは維持すると予想される。国内企業の4―6月期決算は総じて順調な進ちょく状況だったが、会社側が慎重姿勢を崩さず通期予想の上方修正は多くなかった。このため予想EPSが切り上がらず、表面上は日本株の割安感を強調できる水準でもないが、先行きに期待を残す内容だった。
一方でマクロ指標は、足元で国内の4─6月期国内総生産(GDP)や6月機械受注がさえない内容となり、政策への期待もくすぶる。海外ではユーロ圏の4―6月期GDPがゼロ成長となったほか、米経済指標もまだら模様であり、「グローバルな緩和環境の継続期待が底流で相場を支える」(国内証券)との声が出ている。
相場を大きく動かすようなイベントは乏しい。21日から米ワイオミング州ジャクソンホールで行われるシンポジウムにイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が出席の予定だが、「金融政策の変更に関するような話題はなく、雇用情勢に対する認識などが中心になりそう」(野村証券投資情報部次長の田之上章氏)とみられている。
その他のスケジュールでは20日に7月貿易統計(財務省)が発表される。海外では19日に7月米住宅着工件数(商務省)、21日に8月中国製造業PMI速報値(HSBC)、7月米中古住宅販売(全米リアルター協会)などが発表される。
(株式マーケットチーム※)
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