[東京 6日 ロイター] - 日本生命保険は6日、2023年4月から、団体年金商品の予定利率を現行の1.25%から0.5%に引き下げると発表した。同商品の予定利率引き下げは2002年4月以来、21年ぶりとなる。
予定利率は保険会社が契約者から受け取った保険料を運用する際に約束する利率。世界的な金融緩和政策を背景に超低金利が長期化する中、生命保険各社の資産運用環境は厳しさを増していた。
日本生命では、この予定利率引き下げにより、過度なリスクを負わず安定的な資産運用に取り組めると説明している。
企業が従業員に提供する年金制度である団体年金には、将来の給付額を約束して企業が運用の責任を負う「確定給付型」と、運用の実績に応じて給付額が変動する「確定拠出型」があるが、今回予定利率が引き下げられるのは確定給付型。
日本生命によると、対象となる同社の確定給付型契約(確定給付企業年金、新企業年金、厚生年金基金)は約5200団体で、受託残高は6兆6939億円(21年3月末時点)。
同社では「今後も健全性の確保に努めるとともに、利率保証型商品の提供や団体年金のコンサルティングを通じて、顧客の団体年金制度に長期安定的に貢献したい」としている。
今回の企業年金の予定利率引き下げを受けて、企業側では将来の給付額を確保するため、従業員の掛け金の増額や年金の受け取り額の減額、運用方法の見直しといった対応を迫られる可能性がある。