[クアラルンプール 11日 ロイター] - マレーシア中央銀行が11日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)は前年比14.2%増加し、伸び率は第2・四半期の8.9%から加速した。
16.1%の成長率を記録した昨年第2・四半期以来の高い伸びで、2桁成長は1年強ぶりとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想の11.7%増も上回った。
内需拡大や堅調な輸出、労働市場の回復に加え、政策支援が寄与した。
中銀のノル・シャムシアー総裁は記者会見で、今年の成長率が従来予想の7%を上回るとの見通しを示した。
「まだ新型コロナウイルス流行前の水準に回復していない分野が一部残されている。世界経済の減速が特にマレーシアの輸出に影響を及ぼすだろう」と発言。
リンギ相場については、米国の金利を巡る不透明感が後退すれば、マレーシアの経済ファンダメンタルズを反映した水準に調整するだろうと述べた。
「マレーシアは経済危機には陥っていない」とし、来年の景気後退は予想していないと述べた。
世界的な景気減速リスクによる先行き不透明感はあるものの、マレーシア経済は新型コロナウイルス流行を受けた低迷から力強く回復している。
政府は先月、今年の成長率見通しを従来の5.3─6.3%から6.5─7.0%に引き上げた。来年は4.0─5.0%への減速を見込む。
中銀はインフレ率が第3・四半期に4.5%でピークを打った可能性が高いとしたが、今後も高止まりするとの見方を示した。
マレーシアのインフレ率は今年、政府の補助金や価格統制によっておおむね抑制されてきた。ただ、上振れリスクが残る中、中銀は先週、4会合連続で25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施。5月以降、政策金利は過去最低の1.75%から合計100bp引き上げられている。