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[ブラジリア 1日 ロイター] - ブラジルの左派ルラ大統領(77)は1日に議会で就任演説し、前任の右派ボルソナロ氏を厳しく非難した上で、飢餓や貧困、人種差別に直面する同国を救うため政策を大きく転換すると表明した。
ルラ大統領は財政運営で堅実な姿勢を示す一方、飢餓をなくし、格差を縮小することに主眼を置くと明言した。女性の権利を向上し、人種差別と奴隷制の負の遺産を一掃することを目指すと述べた。「これが我々の政権の特徴になるだろう」と語った。
ルラ大統領が示した政権構想は、熱帯雨林や先住民、少数民族の保護に後ろ向きで、銃規制に甘かったボルソナロ氏の4年間とは対照的。世界有数の食糧生産国ブラジルを環境大国にすると語ったほか、68万人以上の死者を出した前政権の新型コロナウイルス対策を批判した。
ボルソナロ氏は昨年10月に行われた選挙の敗北を認めないまま、年末の30日にブラジルを離れ、米国へ向かった。選挙には問題あったと根拠なく異議を唱え、歴史が浅いブラジルの民主主義を傷つけ、選挙結果に否定的な支持者による暴力的な運動につながった。
ルラ大統領は「民主主義はこの選挙の偉大な勝利者であり、投票の自由に対する最も暴力的な脅威と、選挙民を操作し困惑させるために企てられた最もひどい嘘と憎悪のキャンペーンを克服した」と議会で語った。
ルラ氏はこの日、ロールスロイスのオープンカーで大統領府に到着した。夫人やカヤポ族の族長、黒人の少年、障害者らとともにスロープを登って宣誓。象徴的な儀式である懸章の授受は、ごみ収集業に携わる黒人女性が行った。