[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日に発表した1日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から1万8000件減少し22万8000件となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は20万件だった。
ただ、政府が季節変動を調整するために使用するモデルを更新したため、過去のデータが改定されており、申請件数の減少が労働市場の状況を正確に示しているかは不透明だ。
改定データによると、年初来の申請件数は当初の予想より多く、労働市場が減速していることをさらに裏付ける結果となっている。
前週分は当初発表から4万8000件上方改定された。
25日までの1週間の継続受給件数は前週比6000件増の182万3000件と、2021年12月以来の高水準となった。
労働省は2023年分に新たな季節調整係数の適用を開始し、18─22年分を改定した。しかし、20年3月から21年6月までの期間を含む、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)期は改定の対象外となった。
エコノミストは、パンデミックに関連した季節要因の歪みが、申請件数が低水準にとどまっている一因とみている。
ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は「われわれの最初の印象としては、新たな季節調整は上昇傾向をある程度強調するかも知れないが、これまでの季節調整よりも失業保険申請の方向性をよく捉えている」と指摘。「われわれの初期段階の推測では、1日までの1週間で1万8000件減少したのは思わぬ幸運に過ぎず、来週は前週の水準である24万6000件に向けて戻るだろう」と述べた。
FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「良いニュースは、3月初旬に銀行危機が起こった後でも追加の雇用削減がないことだ。悪いニュースは、銀行危機発生前から労働市場が減速し始めていたことだ」と述べた。
チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米国に拠点を置く企業が3月に発表した雇用削減は15%増の8万9703人。前年同月比では319%増だった。ハイテク業界での雇用削減が目立った。