[ロンドン 13日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が13日発表した2月の国内総生産(GDP)は前月比横ばいだった。公務員によるストライキが響き、ロイターがまとめた市場予想(0.1%増)に届かなかった。
一方、1月GDPの前月比伸び率は当初発表の0.3%から0.4%に上方修正された。この修正により第1・四半期の景気後退(リセッション)入りには3月GDPが0.6%減となる必要があり、その可能性は低下した。
ONSによると、2月はサービス業が教員やその他の公共部門労働者のストによって0.1%縮小したが、経済の約6%を占める建設業が2.4%拡大した。1月は悪天候で特に新規の建設工事に支障が出たことや2月にメンテナンスや修繕の仕事が急増したことが建設部門回復の要因という。
ハント財務相は、2月のGDPは英経済の実態が想像以上に好調だったことを示すと述べた。
KPMGのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「GDPデータの上方修正と世界的な経済状況の改善により、英経済は今年のリセッションを回避できるだろう」と指摘。「これは政策立案者に安心感を与えるだろうが、中期的な成長見通しは歴史的水準から見れば比較的弱いままだ」と述べた。
また、会計士協会ICAEWのエコノミクスディレクター、スレン・シル氏は、税負担と借入コストの増加がインフレ率の低下とエネルギー料金に対する政府の支援を相殺するため、景気後退懸念はくすぶると指摘。「今回の数字は、高インフレとストライキが英GDPをけん引する主要部門の足を引っ張り続けているため経済が勢いを失っていることを示唆する」と述べた。
また、利上げは英国の成長見通しをさらに弱めることになるとして、イングランド銀行(英中央銀行)は来月に利上げサイクルを終了すべきだとした。