[14日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースが14日発表した第1・四半期決算は純利益が前年同期比52%増の126億2000万ドル(1株当たり4.10ドル)となった。金利収入の増加がディールメイキングの低迷を補い、3月の米地銀破綻を受けた銀行危機にもかかわらず堅調を維持している様子が浮き彫りとなった。
一時的費用を除く1株当たり利益は4.32ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の3.41ドルを上回った。
午前の取引でJPモルガンの株価は7.6%上昇した。
収入は25%増の383億ドル。
地銀2行の破綻などを背景とした見通しの悪化を踏まえ、積み増した貸倒引当金は23億ドルと、前年比56%増となった。
純金利収入(NII)は49%増の208億ドル。今年のNII見通しは810億ドルと、従来の740億ドルから上方修正した。
金利上昇を背景に、コンシューマー・コミュニティ・バンキング部門の収入は80%急増の52億ドル。一方、投資銀行部門の不調は続き、24%の減収。株式トレーディング収入は12%減、債券トレーディング収入は横ばいだった。
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は堅調な消費意欲や財務状況、企業活動に言及し、「米経済は引き続き総じて健全」としつつも、「過去1年注視してきた嵐の雲はなお地平線上にとどまっていおり、銀行業界の混乱がこうしたリスクに拍車をかけている」と述べた。